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読書

抜きがたい「無常感」

福岡市博多区東雲町の女性税理士・世利です

自分自身の根源にあるもの。
私の場合は「諸行無常」です。

どうもこれは、小学生の頃に読んだ、
今昔物語や宇治拾遺物語など、説話集の影響だと思います。面白くて貪るように読みふけりました。

最近、方丈記を改めて読み、
内容は当然として、文章の美しさに驚きました。

ただひたすらに物事を考え、言葉を紡ぎ出した。
川の水面を見つめ続けた人の文章。

美しい。

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読書

津村記久子の文章と谷内六郎の絵

福岡市博多区東雲町の女性税理士・世利です

津村記久子のエッセイ「まぬけなこよみ」
読みながら、これは何かを思い出す、何だろう?
とずっと不思議でした。

やっと気がつきました。
昔、週刊新潮の表紙をずっと描いていらした谷内六郎。
大好きだった谷内六郎の絵です。

文章と絵が似ている。
不思議ですが、そう気づいたあとは、エッセイを読んでいると谷内六郎の絵が次々に浮かんできます。

津村記久子の、誰にでも書けそうで誰にも書けない文章。
心の奥に隠れている何かを刺激するようです。

それにしても、
「いつか買いたいものリスト」にず~っと入っている、
「谷内六郎の複製画」55,000円。

う~ん。
寿命がつきるまでに買えるかしら?

 

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読書

〈ハクメイとミコチ〉知らなかった!

福岡市博多区東雲町の女性税理士・世利です

漫画雑誌とはすっかり遠ざかり、
テレビは観ないのでまったく知らなかったコミック、
「ハクメイとミコチ」

雑誌に登場したのは10年も前で、テレビアニメが4年くらい前のようですが、全く知りませんでした。

Amazonで他の本をさがしていたとき、たまたま見かけ、
絵柄が好みだったので内容などチェックしてから、
まず1巻を購入してみました。
久々のヒット!
すぐに11巻目まですべて購入し、ワールドガイドも。

とにかく絵が素晴らしい!
背景も含めてすべてが緻密に丁寧に描かれている。

そして独特の世界観、キャラクター。
鳥山明のドクタースランプや、西岸良平の鎌倉ものがたりも大好きでしたが、ハクメイとミコチの世界もドンピシャ!

毎年1冊ペース出版のようですが、この完成度では、
それはそうでしょうと思います。

一度目に読むときはストーリーを、二度目は細部を
三度目はさらに細部を。
美味しいお菓子を少しずつ大切に食べるように、
楽しみに楽しみに。

 

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読書

山口謡司/柳家三三:《音読落語》

福岡市博多区東雲町の女性税理士・世利です

大人になって聞いた落語はカセットテープ!で、
五代目古今亭志ん生。
きっかけは忘れましたが、とにかく大好きでした。

さまざまな方に論評された紛れもない名人ですが、
その「可笑しみ」は唯一無二だと思います。業界では
「フラ」というそうですが、他の誰にも真似など不可能。

例えば「唐茄子政談」での、
「そんな馬鹿なんかおまえ、蚊だって食いやしねえよ。
食ったら蚊が馬鹿んなっちゃう」
覚えている台詞なのに、何度聴いてもやっぱり可笑しい。

息子の志ん朝ももちろん素晴らしく良いのですが、
志ん生の「可笑しみ」は別物です。

という落語談義はさておき「音読落語」
「脳とのどをきたえる」というサブタイトルどおり、
名作のさわりを網羅し、それを音読するというものです。
解説といいますか、あらすじや文言の説明つきです。

私はこれを速音読していますが、まあ楽しい!
これを繰り返し、その内全部暗記しよう!と思っています。

楽しみはどこにもかしこにも。

 

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読書

パリッコ:〈つつまし酒〉

福岡市博多区東雲町の女性税理士・世利です

東海林さだおのエッセイを数十年読んできました。
同氏も85歳になられ、いつまで読めるかしら?と思いつつ、最近は何冊もアンソロジーが出版されていますので、
それをまた読んだりしています。

次の「大好きな食エッセイスト」を数年さがしていますが、やっぱりいまひとつ~が続くばかり。
しかしついに発見したかも?と思ったのが、
パリッコ(これ、著者名です)

この作品の前に読んだ、
〈ノスタルジーはスーパーマーケットの2階にある〉は、
良かったのですが、食エッセイだけというわけではなく。

でもこの〈つつまし酒〉はドンピシャ。
何しろでてくるシチュエーション、お酒、おつまみ、
まさにつつましくもハッピー。

雑多でカオスな場末好きの私にピッタリでした。
きっと何度も繰り返し読む一冊です。
お酒大好きでも著者には妻子がいて、
良き夫・父の側面もあって、そこも素敵です。

困るのはこれを読むと、昼酒を飲みたくなる!
春には読まないようにしないと、絶対仕事をさぼって、
お酒をもって桜を見に行ってしまう!

大勢でのお花見はもちろん楽しいものですが、
春の空気の中で、ただ桜をみつめる、
一人花見は格別です。
しかもほろ酔いで。
いいだろうなあ。
いいよねえ。

 

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読書

「だましだまし」は、名言、至言、箴言

福岡市博多区東雲町の女性税理士・世利です

だましだまし、という言葉を知ったのは、
故田辺聖子女史のエッセイ集〈人生はだましだまし〉
自分も年をとり、まさに「だましだまし」を実感!

誰しも完璧な状態が長く続くなど、到底あり得ません。
最近は諸々うまく捗ると、
『あら、なんだか色々都合よく進んでる。ということは、
そろそろ何かあるのね。気を引き締めよう」と思います。

あちらを繕い、こちらを繕い、よろよろしながら、
なんとかまあまあやってゆく。
やってゆければ上出来!

男性なら吉行淳之介、女性なら田辺聖子。
私が思う人生の達人です。

 

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読書

北原保雄:〈かなり役立つ日本語ドリル2〉

福岡市博多区東雲町の女性税理士・世利です

シリーズで数冊出版されている、かなり役立つ!本の2冊目。類書は数多ありますが、この本は抜きんでています。
問題のレベル分け、解答の示し方、何故そうなのかの説明。使いやすさ、わかりやすさ、すべてにおいて優れています。

ところで、レベル1,2,までは、
「ふふ~ん」なんて感じでしたが、レベル3以降は、
「あれっ?」がちょこちょこと。レベル4,レベル5,
「あららあ!そうか、そうだよねえ!」
むむむ……

でも「書きなさい」が無くて助かりました。
「書きなさい」があったら、目もあてられません。
漢字、書けなくなりました。
勉強せねば。

 

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読書

数学者・岡潔の相貌が凄い!

福岡市博多区東雲町の女性税理士・世利です

〈数学する人生〉:岡潔/森田真生編
編者が選び抜いた、偉大な数学者・岡潔の随筆集です。

岡潔は世界的な数学者であり、かつ、
思想家としても随筆家としても超一流。
しかも言葉のひとつひとつが美しい。
のは、よく知られていますが、

この文庫に使われているお年をめしたときの顔写真。
相貌がそれはもうもう「知性の塊」です。

いや、凄い。

もし現実にお会いしたら、緊張で気を失いそうです。
人の顔。特に年をとってからは人生そのものが表れます。

知性の塊、ですがお優しそうでもあります。
凄いなあ、の一言です。

 

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読書

「今」を教える書籍のタイトル

福岡市博多区東雲町の女性税理士・世利です。

やはり書店の実店舗には行きたい。
平積みされている本のタイトルを眺めたい。
これを見れば今がわかる!からです。

出入り口やエスカレーターのそば、棚前、
平積みされている本のタイトルは「今」そのものです。
〇〇歳から~ 年収△△で~~  □□の節約
高齢化社会、続く経済の停滞、如実に表れています。
私の若い頃にはあまりみかけなかった、
〇〇しなさい、という指示・命令形のタイトルも多い。
これは不安の表れでしょうか。

そしていつもの棚を過ぎてから、ふと目にとまる本。
新しい著者との出会いが書店を歩く醍醐味です。

 

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読書

金井真紀:〈虫嫌いはなおるかな〉

福岡市博多区東雲町の女性税理士・世利です。

目からうろこがボタボタ落ちた一冊です。
私の虫嫌いは子どもの頃からで、長年悩んできました。
刺したりしなければ嫌う理由は無く、益虫・害虫は人の都合での分類だし、生き物としては大先輩!なのに。

この著者も同じくで、その悩みを克服すべく、
色々な昆虫関連の識者(達人!)に教えを乞うべく、
インタビューしたのが本作です。

最も驚いたのが、あの黒いGのこと。
持っている細菌は大腸菌くらい。そして、嫌がられ始めたのは戦後くらいからということです。

なるほどねえ。
殺虫剤その他関連事業、やまほどあります。一大市場です。メディアにとっても広告主です。
そうだったのかあ、と今頃気づきました。

そして読了後、私の虫嫌いは?
以前よりは昆虫との距離が近くなった気がします。
気がします……そうです、そんな気が……。

 

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