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仕事と税金

「払わない主義っ」「え~っ!」

福岡市博多区東雲町の女性税理士・世利です。

はるか昔、入社し、慌てて速攻で退社した会社のお話です。経理前任者のデスクに座り引き出しを開けました。
溢れる請求書。
無理に押し込んでいて、ザッと床に散らばりました。
支払い予定表があったので確認すると未払いだらけです。
継続的に発生するらしい経費だけは、90日?くらいで払っていました。
データで確認すると、買掛金は毎月少しずつの内払いになっていました。(払わなければ仕入れストップされますね)

放置されていた請求書は、もっぱら単発取引らしいものと飲食代でした。前任者のなんらかの不正という可能性もありますから、3日かけて現預金を含め精査し、一覧表を作成し、支払担当の女性役員に相談をかけました。

その答が、
「うちはそういうのは、なるべく払わない主義だから……」「……?」

単発取引はその時限りでいいし、飲食店はいくらでもある、
零細事業者には払わない、ということでした。
トラブルにならない理由を考え、円満に退職しましたが、
それにしても驚きました!
払わない主義!

その会社、その後吸収合併され、役員は総入替だそうで。
まあそうでしょうね。

 

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仕事と税金

決裁権限・職務分掌規程

福岡市博多区東雲町の女性税理士・世利です。

中小企業で職務分掌規程をしっかりつくっているケース、
どのくらいあるでしょうか?
特に創業オーナー社長だと、どんなにささいな決裁権も手放さない場合も多いように思います。

事業が成功すれば従業員は増加し、職制・職位が生じます。しかし、決裁権を一切有しない管理職が部署をまとめるのは至難の業です。権限はなく義務と責任だけはある。
これではどうでしょう?
そんな組織では、根回しや社内営業などが活発になります。お伺いを立てるために稟議書がむやみに増えます。

創業した経営者にとって会社はわが子も同然。
人生そのものですから、何もかも自分が掌握したい、と願うのは理解できます。しかし忘れてはいけないのが、やがて自分も年をとるということです。
すべてを自分が!という状態に疲れる日がやってきます。
だからといって、急に権限を分け与えようとしても、
スムーズにはいきません。
すべてを支配したということは、すべてを依存させていたということだからです。

心配でしかたがなくても、気になって寝つきが悪くなっても、部下たちに権限を与える勇気が必要なのだと思います。

 

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仕事と税金

不正のハードルは山よりも高く!

福岡市博多区東雲町の女性税理士・世利です。

事業経費の公私混同。
法人でも個人事業でも、もちろん租税回避行為、脱税です。そしてそれには付随する弊害があり、むしろそちらが重要だと私は思っています。

・真の事業損益を見失う
「え~と、今月は旅費交通費が多いけど、でもホントは家族旅行の分があるから、それを差し引けば……」などといちいち考えていたら面倒になります。
面倒→まあいいか。かくしてどんぶり勘定にまっしぐら。

・従業員がいる場合、下は必ず上に倣う
「公私混同しても、ちょっとならいいよね」
その感覚が社内にうまれてしまうと、隅々まで蔓延ります。人は「利益を得たい」という欲求よりも「損をしたくない」という欲求が強いそうです。
相続が争続になる現実を見ると、それは確かなようです。「あの人ズルして得!していない私は損!」となります。

・ルール遵守への意識低下
日々していることは、その人の価値観に多大な影響をもたらします。これは確かにルールを逸脱している、でも他ではちゃんと……とはなかなかいきません。
「一事が万事」はまさにそのとおりです。
大事な局面で、判断を誤る基になってしまいます。

不必要な税金は、例え一円でももったいない!
ですが不正へのハードルは、何よりも自分自身のために、
常に高く、高く!

 

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仕事と税金

傲慢はすべてを奪う

福岡市博多区東雲町の女性税理士・世利です。

人を誤らせ、せっかく手にしたものを失わせる一番の原因は、「傲慢」ではないかと私は思っています。
事業だと、起業し、企画がヒットし、経営が軌道に乗り、
創業期→発展期→成熟期まで至ったのに、そのあとの衰退期で持ち直すことなく、という企業は少なくありません。

発展期にもっていくためには、事業家は人生の全てを総動員し、眠れない夜を何度も乗り越えます。
その結果なんとか成功までたどり着くと、
やはり「私、すごい!」「俺、すごい!」となりがちです。

運もあり周囲も助けてくれたのに、苦闘した自分だけを褒めて他者を軽んじると、「高転びに転ぶ」の言葉通りになってしまいます。
創業企業にあっては、裸の王様の隣にもれなく裸の女王様もいたりしますので、だれも「裸ですよ」とは言いません。
それまでの努力が水泡に帰す、なんとも残念でなりません。

謙虚であり続けることの難しさと重要さ。
自戒をこめて思います。

 

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仕事と税金 税理士試験

エレガントな「所得税法」

福岡市博多区東雲町の女性税理士・世利です。

今月は税理士試験、
受験生の皆様のご健闘を心からお祈り申し上げます。

私は国税三法を取得しましたが、
最も好きだったのは所得税法です。
条文の文章が機能的で美しい!
簡潔でかつ理解しやすい!
(税法の中では、という意味ですが……)
数学者がよく「エレガント」という表現をしますが、
所得税法も素晴らしく「エレガント」だと私は思います。

それにひきかえ……。
受験はしませんでしたが、しっかり勉強した消費税法。
これは何といいましょうか、何でしょうか。例えば、

”その事業年度終了の日の翌日から
二年を経過した日の前日まで”

『イヤイヤ、なんかあるでしょ、他の言い方』
と思いつつ、実はけっこう癖になる!
そのヘンテコリンさが、まあ、好きでしたけど
(どないやねん!)

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