福岡市の税理士・世利です――
「経営者と同じ視点で~~」よく目や耳にしますが、会社員をしていた頃、
『それはご無理というものでは?』と、内心思っていました。
立場がまったく違うからです。
想像力で同じ立場に立ってみようとしても、相当に困難だと思います。
端的に言えば(創業一代目の企業だとして)
経営者→ハイリスク・ハイリターン
従業員→ローリスク・ローリターン
給料日が近づいて、
もうすぐ給料日、楽しみだな⇒従業員
もうすぐ給料日、憂鬱だな⇒支払う資金を心配する経営者
現金を余剰金として潤沢に持っている企業は、ごく僅かです。
入っては出てゆく、ホンの少し手に残れば上出来、というのが事業です。
資金の手当てで悩み、人の問題で悩み、
もし不幸にも倒産に至れば、連帯保証をしている経営者は一蓮托生です。
自らすべてを決定出来る自由はありますが、果てしない責任も伴います。
リスクを負っても、自ら経営したいと志した人。
自由はなくとも、ずっと会社員でい続けることを選んだ人。
優劣の問題ではなく、適性が違うからこそ補完しあえるのだと思います。
ですので、「経営者の視点で~~」
そこまでをも期待するのは、それはご無理かと……。