福岡市の税理士・世利です――
家族以外の他者との距離感は、難しいものです。
物理的な距離としては、
パーソナルエリア・パーソナルスペースを侵さないように心がけるわけですが、
精神的なエリアは、お互い見えないだけに更に繊細だと思います。
自己の問題点とシビアに向き合うべきときに、
代償行為として、人に優しく振る舞う方もいます。
こういう場合、往々にしてエリアを超えて干渉してくる場合が多いようです。
自分の利害得失だけを考えて、いきなり踏み込んで来るケースは、
ビジネスの場でもよく見られます。
節度をもって、かつ丁寧に、
人と関わってゆくためには、お互いに配慮が必要だとつくづく思います。
随分以前読んだどなたかのエッセイに、
[残心]という一節があったと、おぼろげに記憶しています。
剣道用語が由来のようなのですが、例えば誰かを見送る時。
お別れの挨拶をしたら、さっさと家に入るのではなく、
相手が視界からはずれる(角を曲がったりして)まで見送る。
名残を惜しむ、のを形として表すわけですが、残心とはいい言葉だと思います。
お互いにそうすべき時には、いつでも超えられる、
やわらかな境界線を隔てて他者を尊重したい、と自戒しています。