福岡市の税理士・世利です――

敬愛する作家が亡くなると、
それほどに自分が長い年月生きてきたのだと実感します。

宮尾登美子氏が、昨年末亡くなられていたと少し前に知りました。
何のゆかりもなくても、同時代を生きた、
同じ時代の空気を吸っていた著名人には、やはり一入の思いがあります。

相当数の作品を読んでいますが、最も好きなのは、[櫂]です。
これほど面白く読ませる長編物語は、そうそう無いのではと思います。
(ゆうに原稿1000枚を超えているような……)

最初に読んだ時には、まさに”巻を措く能わず”でした。

何よりもこの作品に私が感じたのは、
「これを書かずには、私は死ねない」とでもいうような、著者の気概です。
筆からほとばしって、こちらに飛び込んでくるようなエネルギーです。

この[櫂][朱夏]など一連の作品は、著者の実体験がベースだそうです。
抑制された筆致ですが、精魂込めたというしかない作品だと思います。

もう新作を読めないのかと残念でなりませんが、
出会って別れるのは実生活と同じですね。

好きな作品を少しずつ読み返そうと思います。

 

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