九州北部は、例年より早く梅雨入りしました。

梅雨冷(つゆびえ)は、俳句の季語でもあるそうですが、
梅雨時に、ちょっと冷えるという日が間々あります。

  ”こんなにも 湯呑茶碗は あたたかく
                    しどろもどろに 吾はおるなり”

漂泊の歌人といわれた山崎方代の作品です。

初めてこの歌を目にした時、
色々大変な時期だったせいもあって、涙がボロボロ。

ただの一度も、湯呑茶碗の温かさが身に沁みた事などないとしたら、
それはとても幸運な、恵まれた人生です。

長い歳月の間には、
一杯の温かい飲み物に、しみじみ慰められる日もあると思います。

そうして下の句”しどろもどろに”

「私は何も困ることがなく、何の過ちもおかさず、 誰にも迷惑はかけず、
いつも堂々と胸を張って生きています」とは、中々いきません。

誰しも、これでいいのか、ここでいいのか、
とつおいつ思案しながらひと時を過ごし、日々を生きるわけです。

ところでこの湯呑。

大ぶりの、厚手の素朴な湯呑でしょうか。
じんわりゆっくり、手のひらに少しずつ温かさが伝わってきそうです。

梅雨冷には、そういう湯呑で美味しいお茶を。

 

 


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