[かんしょ病みの汚ずき]
大阪弁の慣用句だそうですが、とても面白い。
私はこれを田辺聖子のエッセイで知ったと記憶しています。
かんしょ病み⇒癇性(これは共通語です)病み
潔癖症というか神経質で、それが度が過ぎているわけです。
……でも汚ずき。
本当に汚いのが好きという事ではなく、潔癖で自分の拘りがあるけれど、
そこからはずれる部分では、意外に普通よりもだらしなかったりする。
つまり、バランスがとれていない点の指摘ですね。
また、そういう人は得てして、自分の拘りを他者にも押し付けがちなので、
それをちょっと茶化している感じもあります。
意味は違いますが、似たような表現のしかたで、
[無精者はよく働く]
これはもうよく有りますね。
無精して、ゴミをポーンとゴミ箱に投げたけれど、逸れてしまって、
結局そのゴミを拾いに行って、ゴミ箱に入れる。
普通にゴミ箱に入れるのよりも、
投げる、拾う、入れる=動作が多いので⇒よく働く。
最初っから無精するんじゃないよ、という事なのでしょうが、
いやあ、昔の人は上手いことおっしゃる!
はじめまして。長い間気になって仕方がなかった言葉、「癇性の汚な好き」の意味、由来をやっと知ることができました。正式には「かんしょ病みの汚ずき」という大阪弁だったのですね。先生はこれを田辺聖子のエッセイでお知りになったのですね。私も田辺作品にハマった時期がありました。一番好きなのは『言い寄る』三部作と、「歌子さん」が登場する『姥』シリーズです。「癇性の汚な好き」という言葉は、林真理子の小説『素晴らしき家族旅行』で初めて知って以来のmy不思議言葉でした。これですっきりしました。ありがとうございました。
鈴木先生、コメント有難うございました。
お役に立てて何よりです。
田辺聖子の『言い寄る』三部作と『姥』シリーズは私も大好きです!
姥シリーズについては、このブログの2015年6月11日に記事を書いております。
よろしければ、どうぞお読み下さいませ。