友がみな われよりえらく 見ゆる日よ

                花を買ひ来て 妻としたしむ

色々なシーンで引用されることも多い、石川啄木の歌です。
そんなに啄木は好きではないのですが、(歌人といえば与謝野晶子!)
この歌だけは別です。

確かに [友が皆、我より偉く見ゆる日] が自分にもあったと胸に迫ります。
我ながら殊勝な気持ちがあった若い日のこと。

――何一つ上手くいかず、思い通りにはならない、長く暗いトンネルの中。
あの人もこの人も、街を歩いている人さえも、皆順調で幸せそうに見えました。

痛みとともに思い出しますが、少なくとも啄木には、ともに親しむ妻がいた。
花を買ってきて「きれいだね」と言い合える人がいる幸福。

それが家族でも恋人でも友人でも、そういう人がいれば辛き浮世を渡れます。
(啄木の実像は、相当に困った人物だったようですが……)

「今日は冷えるね」「明日は少しは暖かいかな」
何でもない会話が、しみじみと宝物です。

パートナーに感謝する、明日はバレンタインデー!

 

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