さすがに世代が違いますので、女優としてはよく存じ上げませんが、
随筆家としても評価の高かった高峰秀子のエッセイ集[コットンが好き]

この復刻版が出たのも、もう10年以上前になりますが、
慈しまれた雑貨や衣類が、ひとつひとつ写真付きで紹介されています。

私はおよそ《形ある物》に執着が薄く、良品は良し、そうじゃなくても良し。
使えればよいので、高価でも安物でも実にどちらでも良いという……。

好みはモチロンそれなりにありますが、拘泥するということはありません。

《住》にも《衣》にもあまりこだわりがなく、
唯一執着するのは、美味しいゴハンと美味しいお酒。困ったものです。

その無頓着な私にも、
この本で紹介されている雑貨類や語られているエピソードからは、
好きな物を傍に置き、暮らしの中で使い続ける心地よさ、
気取りも衒いもなく慈しみ楽しむ筆者の心情が、素直に伝わってきます。

もう一点。

高峰秀子は大正生まれの方ですが、《闊達な日常語》の熟練の使い手です。
目に美しい日本語。読んで快い日本語。

美味しいお菓子を少しずつ食べるように、ページを繰るのが楽しみな1冊です。

 

 

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